落穂拾いの作品情報・感想・評価

落穂拾い2000年製作の映画)

LES GLANEURS ET LA GLANEUSE/The Gleaners and I

製作国:

上映時間:82分

ジャンル:

3.9

「落穂拾い」に投稿された感想・評価

K2

K2の感想・評価

3.6
規格外品として畑に投棄される野菜や消費期限が来ていないが捨てられる食品。それらを拾って生活に利用する人々の姿は現代の『落穂拾い』のよう。

ところどころヴァルダのお茶目な考えが挟まってくるのがとにかく可愛い。
落穂拾い、つまり収穫されなかった作物を拾うことを軸として、農作物は勿論捨てられたゴミも拾って過ごす様々な人物の型にとらわれない暮らしを描いたドキュメンタリー

この作品を観ると人々の逞しさだけでなく、一見映画的でない映像を上手く繋ぎ表現とするアニエス・ヴァルダの想像力の豊かさも垣間見え、自分ももっと想像力を用いて生きていくべきかなと襟を正せられた

BGMとして挿入されるラップにも味があり、そういう点にも愛嬌が感じられる愛すべき作品だ
CHEBUNBUN

CHEBUNBUNの感想・評価

4.5
【洞察力と奇跡に圧倒!】
この前のカンヌ国際映画祭で注目されたアニエス・ヴァルダ。彼女の旧作がアンスティチュフランセで上映されるとのことだったので観てきた。

ドキュメンタリーは撮影者の主張が強くなり過ぎないように、基本的に映し出されるモノに手を出さない。例え、レンズを超えて被写体に迫っても客観性を失わないようにするのが定石となっている。

しかし、アニエス・ヴァルダは全力で被写体に迫る。更には自己愛が強すぎて、自分をも撮って撮って撮りまくる。通常の作品なら、禁じ手もいいところで酷評ものなのだが、何ということか、非常に論理的な作品で面白かった。

というのも、このドキュメンタリーは運に恵まれていた。それ故に、単純な現代の貧困に対する愚痴に留まることなく様々な世界を観せてくれた。

このドキュメンタリーはタイトル通りミレーの油彩画の話です。「落穂拾い」とは貧しい者が、畑などからおこぼれを頂く様子を描いている。1857年に描かれた絵の世界が約1.5世紀後の現代でも続いていることを地方と都市部での「落穂拾い」比較を交え描き出す。法律でも言及され、認められている「落穂拾い」。アニエスはケチになった地主や都市部の人に文句を言いつつも、しっかりと落穂拾い「する側」「される側」、「貧しき落穂拾い」「富める落穂拾い」を均一に描き出す。

そして、面白いことにドキュメンタリーを撮るうちに偉人の曾孫や落穂拾いするミシュラン料理人、珍しい絵画にたどり着く。

アニエス・ヴァルダの語り口の豊かさ、そして洞察力に感情的でありながらも論理的な「落穂拾い」にノックアウトされました。
tjr

tjrの感想・評価

4.1
消費社会批判に陥るわけでもなく、現代の「落ち穂拾い」諸相を気の赴くまま切り取るエッセイのような文体が心地よかった。
ヴァルダのシワシワの手がイメージを収集する過程で結局は自分のことに立ち戻って行く。
大量のジャガイモは「マジェスティック」のスイカの山を思い出す。
これだけの情報量を80分そこらに収められる編集のセンス。音楽もことごとく良い。あとサラリーマンなのに10年残飯だけで暮らしてる彼が単純にすごい。
紫色部

紫色部の感想・評価

3.5
2017.6.3 アンスティチュ・フランセ東京

茶目っ気たっぷりな監督の演出や語り口の軽妙さが可愛い。取りこぼされ、取り残された物/モノ/者に向ける視線の確かさにもグッとくる。
おくの

おくのの感想・評価

4.0

ミレーの絵が見たくなる。

格安のカメラを構え、ユーモアたっぷりに「落穂拾い」という言葉、慣習に迫るドキュメンタリー。

ヌーヴェルヴァーグの時代から未だ衰えぬ創造力が監督にあると感じる作品。
Lyu

Lyuの感想・評価

3.9
ラプランシュの登場は偶然なのか
不特定多数のまなざしが見え隠れし、
彼女はこちらに視線を向ける。
彼女が鏡にカメラを向ける時、スクリーンというミラーが僕たちの視線を重ね合わせる。
このまなざしは一体誰のものなのか。
ai

aiの感想・評価

4.0
ゴミをあさる、拾って生活をする人々を軽蔑の眼差しでみる現代人の私達。
しかし、ゴミじゃないものでさえ平気で捨てる人々を軽蔑する人はいない。

そもそも「落穂拾い」とは、中世から続く歴史的慣行で、収穫後の畑に散乱する落穂を、寡婦・孤児・寄食者、など社会的に弱い人々に、拾うことを許したもの。
だから、地主は落穂を拾ってはいけないのだ。
有名なミレーの絵で落穂拾いをしているのは近隣に住む貧しい人々である。

このドキュメンタリーは、更にアニエスヴェルダを好きになるキッカケになった作品。
こんなテーマなのにとにかく楽しそう。
拾って生活してるのが楽しそう。
視点が変わるとこんなにも見る世界は変わるのね。