のっぺりハンサム監督が予想通り引退宣言をのっぺりと覆して、のっぺりハンサムと復活。本作は世界中に散らばるのっぺりハンサムマニア待望の復帰作で、自分のTLものっぺりハンサムとは言い難いくらい皆さん熱くウェルカムしているガーエーです。
のっぺりハンサムワールド。それは、どれほど厳しい世界でも人と人とのあたたかなつながりこそが大切で、愛と犬を持って無情の世界を乗り越えていこう、みたいなグウの音も出ないくらい素敵な人情噺で、しかも細々とシュールなギャグが挟まり、そして全員のっぺりと無表情。そして、そののっぺりハンサム具合をあのレトロで心地良すぎるムードで撮るもんだから、マニアの心に刺さるに決まってるし、『花束〜』みたいなサブカルカップルのオシャレアイテムにもなる訳です。
絵空事ではなく、本気で世界の現状を考えているのもカウリスマキっぽいです。ラジオからは常にウクライナ侵略戦争のニュースが流れ、ロシアがウクライナの非戦闘員を殺害する内容が繰り返される。レトロな世界だけど、すぐ隣には戦争が迫っているし、相変わらずシステムの番犬どもは権力を振りかざして弱者を抑圧します。なので、ヘンな世界ですが根本はリアルなのです。
自分ものっぺりハンサムワールドファンでした。しかし、本作を観て、「あ、俺、趣味変わったわ」と感じたのです。ぜんぜん刺さらなかった。別に何が悪いとかではなく、なんとなくこの世界観は別にいいかな〜、と思っただけです。素敵なレトロ感、可愛いワンちゃん、オフビートなシュールさ、世界への危機感と怒り、そのような世界だからこそ歌い上げるつながりの尊さ。もちろん嫌いじゃないけどさ、もういいかな〜と正直思いました！
本作がグッと来なかったのは、加齢による食の趣味の変化に近く、単純に生理的な問題だと自己分析しています。いわゆる飽きってヤツですね。
という訳で、基本もうカウリスマキ観ません！理由は飽きたから！今までありがとう＆さらば、のっぺりハンサムワールド！
あ、愛しのヒョットコさんが復帰すれば観るかも。今回ピンと来なかったのはヒョットコレスだったからかな〜、あとリトル・ボブ的キャラも出たら話は別ですよ😎
