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アバターのryodanのレビュー・感想・評価

アバター(2009年製作の映画)
3.2
G・キャメロン監督作。
圧倒的な映像美。「全てを表現してやるぜ!」と意気込みがバンバン伝わってきましたよ。ただこれは好みの問題だから、映像美に慣れて来たら冗長でしかなく。。万物との物理的な結合で「絆」を築いてパンドラの調和と安定を図るという設定。確かに確実につながれば、お互いの信頼が勝ち取れるというのは、言ったら間違ってない。でも実際の地球上の自然界では、調和というか秩序で成り立っている。まぁ、人間も地球の意志で生かされている訳で。訳が分からない理由で生かされている。地球も人間を選んだ。どうなるかは知らんけど。結局現実問題として地球上の生物達は、地球の訳が分からない理由によって生かされている。他者との絆を優先することなく己の種を最優先に考えて。人間だけでも様々な言語で、容易な絆が生まれないように出来ている。何度も間違いを犯し、今も間違い続けている。その一番難しい他者との「絆」をあんなコネクトするだけで表現してしまったら、何も心に訴えかけてくるものなどない。物理的な確信はないのだけど絆でつながっているという儚く、でも強く信じることが大事だよと、ほかの映画でも学んできたような気がする「絆」。パンドラの世界はお手軽でイイねとひねくれてしまう。ウチらの抱えている他者との関わり方が、そのまま作品の中で表現され、パンドラの摂理が理想なのだという結論までもいかず、アバターが先頭立って肉弾戦になっていく語り口も、ハリウッドの古典的な手法でもあり辟易。テーマ先行でなく、映像表現が先にありきだったツケが回って冗長と感じたのかも知れない。
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