チッコーネ

オフサイド・ガールズのチッコーネのレビュー・感想・評価

オフサイド・ガールズ(2006年製作の映画)
4.5
閉塞したイスラム社会に生きながらも、ユーモアと温情を忘れない人々の姿を活写している。
本作の中では、知恵と行動力こそが正義。常にディスカッションがあり、何気ない場面の中にも小さな闘争が立ち上がっていくため、全体の印象は非常に動的だ。
今にも堰を切って流れ出しそうな若者たちの怒りとパワーは、女性だけでなく、盲従から解き放たれたい男性の中にも、鬱積しているのが伝わってきた。安易な西欧化を憂う旧世代の意志は、果たしてどこまで彼らを抑えられるのだろうか。