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カンバセーション…盗聴…のRのレビュー・感想・評価

カンバセーション…盗聴…(1973年製作の映画)
5.0
人生のトップ20に入るくらい好き! 演出力が鬼! 公園を歩き回ってる男女カップルの会話を、盗聴屋さんが複数台の隠しマイクで録音してるシーンから始まる。それぞれのマイクで拾われた会話の断片断片の音声を、のちに何度も聴き直しながら、ひとつの長い会話へと編集してるうちに、少しずつ大企業の大陰謀らしきものが浮かび上がってくる、というストーリー。その音声編集のプロセスが何よりも素晴らしい! 公園のふたりの会話と映像が、ダークなムードが濃密に染み込んだ全編に、モザイクのように挿入されるんやけど、これぞ、まさに映画でしかできない卓越した表現! この空前絶後の編集力! 神がかってて身体中がゾクゾクした! 中盤は主人公の職業的パラノイアと孤独が、驚異的な多弁性をもった映像と音楽でじっくりじっとりと描かれる。特に音楽オシャレすぎ!ピアノやばい。この描き方は、これは、いやー、んー、もー、ものすごい! 大巨匠による手の込みまくった職人技! 後半は怖すぎてしびれるくらいホラー的狂気の演出とカメラワークで、何が現実で、何が妄想で、何を信じていいのやら、何もかもわからない、何もかも信じられない、人間として究極の恐怖が描かれる。その凄まじさでスクリーンに釘づけになった! ジーンハックマンの孤独なゲキ渋セクシーオヤジ感がすごくエロかっこいい、こんなハリソン見たことない!ってくらい冷徹で謎めいたイケメン役を演じるフォードに震えた! とんでもないレベルの、これぞ、まさにマスターワーク!
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