チャイニーズ・ブッキーを殺した男のルサチマのレビュー・感想・評価

当たり前だが、ストリップ劇場は演劇の舞台と違って観客までもが舞台に向かって声をかけたり、介入してくる。
舞台の上だけがフィクションなのではなく劇場自体がフィクションの空間となり、映画の中で観客の姿を写しても浮かないのはストリップ劇場という特殊な空間の力かもしれない。
そんなフィクションの場所でオーナーの主人公は「人格を選んで舞台に立て」と言う。現実（＝人格）をありのまま写し取るカメラを用いる映画と明らかな虚構の演劇の融合だ。