ルサチマ

階級関係 -カフカ「アメリカ」より-のルサチマのレビュー・感想・評価

5.0
何度も見てるが、やはりストローブ=ユイレの市民階級と闘争という主題は前作『アン・ラシャシャン』から物語の説話性と密接にかかわり、今作で見事に到達した感覚を抱かせる。そしてそれは晩年に至るまで続くが、移民の青年を取り巻く社会構造を、青年の心理とは別に物質を物質に還元し続けることによって鮮明に浮かび上がらすという試みは今なお、個人と社会という図式を簡略化するのではなく、寧ろ複雑なままに提示するという意味で重要だ。
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