エディ

ノーマ・レイのエディのレビュー・感想・評価

ノーマ・レイ(1979年製作の映画)
2.1
労働者が搾取されている米南部の繊維工場に労働組合を作ろうとした女性工員ノーマレイと、全米繊維労働組合幹部の活動を描いた映画だが、あまりにも左翼、共産主義的な見方が極端過ぎるので辟易してしまった。
冒頭、ノーマは実にバカっぽいしゃべり方で登場する。実際、ノーマは父が違う二人の子のシングルマザーで、いまだに様々な男と付き合っているという下半身のモラルがないどうしょうもない奴。
こんなヤンキーが、働いている工場に組合を設立しようとしている活動家と出会ったことで、組合活動に目覚め、組合設立を邪魔しようとする工場幹部と戦っていく。。。
というと英雄的な人物が搾取されている仲間を率いて戦うという格好が良い映画に思えるかもしれないが実際は全く違う。
映画での主人公ノーマの描かれ方は、はっきりいって病的だ。男に対するだらしなさも、怒ったときの発狂の仕方もヒステリックで異常。特に、男に対する言動が実に不快で、キャラ設定だろうが映画中何度も様々な男に不快な発言をして気分を害させることに成功している。なので、男の自分には全く共感できなかった。
また、こんな極端な人物なので、組合活動にのめりこみだすと再婚した家庭を顧みず活動を続け、就業時間中も組合活動をするような極端な行動に出る。
やっている活動の重要性は理解できるが、あまりにも周囲のペースを無視して自分勝手だし極端で扇動的。
仕事時間中、機械の上で「ユニオン」と書いた紙を掲げて立ちつくしているシーンは、制作側からしたら感動のクライマックスにしたのかもしれないけど、自分には狂人にしか見えなかった。
イソップ「北風と太陽」のように、人に付いてこさせるやり方は二通りあるが、映画で感動するのは「太陽」的に共感させる方法だと思う。しかし、この主人公は明らかに「北風」的なやり方、生き方をしている。作品としての完成度は高いけど、非常に気分が悪かった。
エディ

エディ