敢えて暗闇の中に身を投じる様な覚悟をもって再鑑賞。
皆さん、ご存知の通り救いがなく、無慈悲で、なんでこんな映画をつくったのかと監督の精神状態を心配するレベルです。
セルマは純粋無垢ですが悪く言えば頑固で、頑なな性格。それは、息子のためという信念に基づく頑なさです。
場面によっては、もっと周囲の言葉に耳を傾けて上手く立ち回れよ、と観ていて歯痒くなります。
セルマの妄想、ミュージカルパートですが、物語的には単に現実逃避しているに過ぎません。
しかし、セルマを演じるビョークの歌声、表現力が素晴らしくて観ているこちら側としては、セルマに感情移入してしまうのに充分な説得力があります。
正しい選択だったのかどうかはともかく
、恐怖に耐え切れず錯乱しながらも、絶対に揺るがなかったセルマの信念。
命をかけてまで貫き通したその信念が放ったわずかな一筋の光明に僕は感動していたのかも知れないなぁと思いました。