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華麗なる相続人のakrutmのレビュー・感想・評価

華麗なる相続人(1979年製作の映画)
2.3
すでにセミリタイアしていて出演を渋るオードリー・ヘプバーンを、テレンス・ヤング監督が説得して出演させた、シドニィ・シェルダンの小説『血族』の映画化作品。

正直言って、こんな出来の悪い映画に出演させられたオードリー・ヘプバーンが可哀想である。サスペンス映画のはずだが、謎解きの部分がなくて、最初の問題設定(皆に動機があること、つまり金が必要な理由)が妙に詳しく述べられた後に、いきなり答えがポンと提示される。そもそも、刑事自体が何もせずに、妙に賢いコンピュータに頼りっきりだし。結末だって中途半端すぎるし、多くの部分は置き去りのまま。さらに悪いことに、オードリー演じる主人公エリザベス・ロフが偽装結婚した相手をいきなり好きになってしまうというサブプロットも、説得力に全く欠けていて、お粗末の一言。テレンス・ヤングという監督の作品は見たことない(007とか特に興味ないし)が、この映画を観る限りでは、才能のかけらもない凡人監督なのであろう。

そもそも、オードリー・ヘプバーンの実年齢に合わせるために、主人公のエリザベス・ロフの年齡設定を23歳から35歳の女性にして脚本を書き直したとよく言われているが、それも本当なのだろうか。だって、この時のオードリーはすでに50歳間近だよ。いくらなんでも35歳の設定は無理があるだろ。他の女優に断り続けられて、旧知の間柄のオードリーに泣きついたんじゃないかなあ。それでこの出来は情けなさすぎ。

最後に、オードリー・ヘプバーンのおばちゃんパーマはなんとかならなかったのだろうか。50歳でも気品のあるオードリーが台無しなのである。
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