矢吹

エノケンの孫悟空 前編の矢吹のレビュー・感想・評価

エノケンの孫悟空 前編(1940年製作の映画)
3.8
初エノケン、ミュージカルとは聞いていたものの、いきなりの、スーパーレビュウというか、
フットライトパレードばりの、人海芸術。
めちゃよかった。
女性がものすごい人数でフォーメーションダンスをするんですけど、あんまり揃いきってないのも、味がめっちゃある。ダンサーの演芸というよりは、その辺の若い子達に声かけて本当に踊りたい人が集まって踊った感。すげえ多幸感、楽しそうでなにより感。

最遊記の原作をちゃんと下敷きにした孫悟空の物語は、個人的に香取慎吾以来かもしれなくて、あれよりもなんなら、結構、原作?に忠実なんだろうなと思って見てた。
確かに、お告げがあって、悟空を解放して、猪八戒、沙悟浄と仲間になっていく流れはもちろんご存知の通りだったけど、進むにつれて、原作を盛大にフリに使った、めちゃコメディ。
そりゃ喜劇王なんだもんな、とも思うけど、
思ったよりも、ぶっ飛んだ角度のギャグ。
昔の喜劇ってなんというか、もっとライトなイメージあったから。
テレビジョンは出てくるし、如意棒がなんでもありで、飛行機にもなれば、機関銃にもなる。
もはやただ伸ばして使うのが1番効率悪い。
原作はこんなもんなのか、もしかしてだけど。

煩悩国の女王みたいな人がいて、
よりにもよって煩悩王女が選んだ男が
1番聖人君子な三蔵法師で、
ほんとに真面目に生きていこうと思えた。
ありがとうございます。
選んでもらえるように頑張ります。

最初の説明のところに書いててさ、
西天竺?ってとこがあるのか?あるっぽい。
天竺に行くには、天竺駅よりも、
実は西天竺駅から歩いたほうが近いみたいなシステムなのかもしれない。
終わり。後篇突入。
矢吹

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