この映画、当時巷で凄ぶる評判が良かったのだけど、私の心にはどうにも響きませんでした。
裕福な家庭で成績も優秀なクリス青年が、何もかも捨ててあてのない旅に出る…。
ん~。別に裕福とか優秀には関係なく、このテの人はほぼ一定数いると思われ。
ひと言で言えば、世捨てびと系?
真理を求めて旅に出る人は、この主人公に限った話じゃない。なので、ストーリー中、折りに触れて語られる家族の確執も要因ではあってもそれが全てじゃない。家族の関係が良かろうが悪かろうが、このタイプの人はどのみち旅立ってしまうのだ。
彼が望む、雄大な自然の中に自分を置いて過ごす自由な生活。しかしそれは時に脅威となり、彼はそれに足を掬われてしまう。
とは言っても、世の中には2mもない高さの脚立から足を滑らせて落ち、死んじゃう人だっているんだから、自然の脅威に晒される人間なんて意外でもなんでもない訳で。
世捨て人系の若者が、旅の途中でヘマをした。ひどく冷めた感想かもだけど、私には全く特別な話には思えなかったけど。 。
対局にあるのは、若き日のゲバラを描いた〝モーターサイクル・ダイアリーズ〟。
こちらは旅での出会いが自分を変え、視線が外へ外へと向かうことで、平穏な人生までもを変えて行った映画。 (「イル・ポスティーノ」もこちら系のお話かも)
単なる好みの問題だけど、私の心は対局側の後者に与してしまうので、主人公のクリスのように自分と向き合うためだけに内へ内へ向かう旅人には、それが内省であり自分探しであれ、〝どうぞ、どうぞ〟としか申し上げられないわ🙄