ほーりー

ウォーリーのほーりーのレビュー・感想・評価

ウォーリー(2008年製作の映画)
4.1
男って自分が好きなものを自分の好きな人に押し付ける傾向がありますな。

ウォーリーを見ていると改めてそう思い知らされる。ま、自戒をふくめてですが。

「ウォーリー」は赤白の縞模様のメガネ男を執念で探すおはなし……ではなくて、荒廃した地球でたった一台でゴミ処理を続けるロボット・ウォーリーと宇宙から来た謎のロボット・イヴの恋と冒険の模様を描いたピクサー作品。

荒廃した大地に夥しく捨てられたゴミの山の光景や、ウォーリーやイヴたちロボットの質感などCGの造形が素晴らしかった。

この映画、故郷にたった一人残された者の恋慕の情と、遠く故郷を離れた人々の望郷の念をそれぞれテーマとして描いている。

自然破壊批判もテーマの一つかもしれないが、あくまでもストーリーをすすめていくためのマクガフィンにすぎないような気がする。

開始40分近く、台詞が「ウォ~~リ~」と「イ~ヴ」(厳密にはメイレイとか片言の言葉はあるけど)しかないのだが、代わりに「ハロー・ドーリー」や「ラヴィ・アン・ローズ」の歌が流れ、ストーリーやキャラの心情の説明している演出が良かった。

音楽といえば艦長(日本語版は草刈正雄ちゃんだ!)が立ち上がるシーン、「ツァラトゥストラはかく語りき」が流れるのも可笑しかった。人類が一歩進歩した瞬間である。

ちなみに私の一番のお気に入りキャラは、神経質なお掃除ロボットくんだったりする。

■映画 DATA==========================
監督:アンドリュー・スタントン
脚本:アンドリュー・スタントン/ジム・リードン
製作:ジム・モリス
音楽:トーマス・ニューマン
撮影:ステファン・シェファー
公開:2008年6月27日(米)/2008年12月5日(日)
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