てれ

香港国際警察/NEW POLICE STORYのてれのレビュー・感想・評価

4.8
ああほんっとうに悔しい。YouTubeでジャッキー観てたらうっかり部分的なネタバレ踏んでしまったから。
でも、それを凌駕する伏線の張り方。映像の見せ方。ストーリーの回し方。ジャッキーの魂の演技とニコラス・ツェーの圧倒的な存在感。
この映画は、とにかく凄かった。
分かってるとはいえ、心に消えない傷を負った薄幸の主人公をやってるジャッキーなんて、観てみるまで想像がつかなかった。大切な部下たちを目の前で惨殺されるシーンはパニックになるほど恐怖の臨場感…半狂乱で慟哭し、病的に酒に溺れて、気概ある警察人生からどん底に叩き落とされてしまったチャン警部。演じるジャッキーの「鬱」な表情に打ちのめされてしまう。

そして警部の救世主として現れた新米警官のシウホン。時折いたずらっぽい笑顔を浮かべながら、警部を健気に慕うキャラクターで、それを演じるニコラス・ツェーが魅力的。オンボロのコートと端正な顔立ちの組み合わせがどこか謎めいていて、惹き付けられた。私にとっては初めてのニコラス・ツェーなのでなおさら印象◎

主人公の苦しみと悲しみが切々と。そして差しのべられた相棒の手をたよりに、再生に向かっていく主人公の姿が切々と。
「希望を持って生きろよ」
シンプルなメッセージだけれども、実際にそうするのは難しい。だからせめて、この映画を観た時の感動を忘れないようにしたい。
てれ

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