てれ

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語のてれのレビュー・感想・評価

3.7
原作の若草物語は小学生の時トライしたけど長すぎて最後まで読まなかった記憶…エイミーがジョーの原稿ファイヤーするのとジョーが髪の毛売るところだけ子供心に強烈だったので覚えていた。

映画だけを観た感想としては、家族愛と女性の生き方という二つのテーマが軸になっている壮大な映画だと思った。
姉妹とお母さんは普通の貴族だと思っていたけれど、父が戦争に行ってるし女性のみだから暮らしていくのが大変そう。だから助け合ったり、でも傷つけ合ったり。ジョーとエイミーなんかしょっちゅう喧嘩するし。でも仲が良い悪いとかそういうのじゃなくて、家族というだけでやっぱり一緒にいたいと感じる、家族って本来そういうものなのかな、と考えさせられた。何もなくても、たくましく生きる姉妹達の姿が輝いていて素敵だ。ジョーとベスが殺伐とした浜辺で語らうシーンの静謐な雰囲気が特に好き。とても哀しくて切ないけれども…
そしてお転婆で文学を愛するジョーが作家になろうと奮闘するところがもどかしくて辛くて。19世紀は、アメリカでさえまだ女性の職業があまり確立されてなかったのか…「女の幸せが結婚だけなんて間違ってる。でもたまらなく寂しい」と夢と孤独感の間で揺れるジョーが、母に苦悩を打ち明けるシーンは泣きそうになった。

ジョー役のシアーシャ・ローナンは、映画を見るたびに惹かれている。ハリウッドあんまり観ないけど彼女は大好きな女優さん! 「レディバード」同様に、内に情熱を秘めた役がとても似合う人だと思う。
あと今回ティモシー・シャラメがドラ息子の役でおもろい(笑) こういう美形のやんちゃボーイは罪なレディキラーよ…

でも私にとっての新しい発見はルイ・ガレル。これ観るまで全く知らなかった俳優さんだったけど出てきた時から何この妖艶紳士はってキュンキュンしっぱなしだった(フレデリック役の人です) アメリカっぽくない英語話してたけどフランスの方なのね。エキセントリックそうなオーラが気になるので、他の作品観てみようかな。
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