しゅん

永遠の戦場のしゅんのレビュー・感想・評価

永遠の戦場(1936年製作の映画)
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第一次大戦のフランスを舞台にした、前線の兵士たちの終わらない地獄というテーマは『暁の偵察』と全く一緒だし、上層部から自殺行為を命じられるのも男の友情が描かれるのも一緒。しかし、本作には笑いがあり、それを担うのは愛国心ばりばりの老兵だ。ちょいキャラだと思われたじじいの存在感は意外なほど強くて、美しきヒロインの印象が霞むほどである。「恐怖なんてただの想像にすぎん」「恐怖を思い出させるからその話はやめろ」の下りが一番好き。
途中からあり得ない展開の連続で、フォークナーがかなり無茶苦茶な脚本を書いたのではないかと想像してしまう。破綻に繋がりかねない強引なシナリオが、逆に独特の求心力の源になってるというミラクルな映画。
時計や丸い岩が終わりない円環の日々を暗示していたり、細い電話線が前線兵士のギリギリの命を感じさせたりなど、気になるモチーフがたくさん。そして、🎺で泣いた。
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