永遠の戦場の作品情報・感想・評価

「永遠の戦場」に投稿された感想・評価

白

白の感想・評価

4.5
決して明ける予感のしない夜。ショパンの第7前奏曲が代表する音楽の情緒的な魅力。
そして愛国心と恋愛感情が共にする受難と葛藤の相克。
「きっと戻って来る」という言葉が誰かへと永遠に語り継がれるように、象徴的に別の人間が同じ言葉を発しては惨めに運命を受け入れていくしかない。
身の毛のよだつ緊張と虚しさ、無用の破壊を描いてこそ、次々と一つの世代が戦争の無意味によって葬られる悲哀を主張できる。
ryosuke

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3.4
ホークスにしては切れ味が悪いかな。暗い空間でひたすら喋っているだけの単調なシーンが多い印象。
ヒロインが中尉に惹かれていく過程、中尉が大尉を敬愛するに至る過程にあまり丁寧さがなく、心情変化に納得感が無い気がする。
ジューン・ラング演じるヒロインの美しさは光っていたんだけども。
終盤の戦闘描写は途切れることのない銃声と煙で埋め尽くされており、敵の姿も明瞭に映らないので、抽象化された戦場の恐怖そのものが映像と化して垂れ流され続けているかのような異様な迫力がある。
...とか思っていたらいきなり教会に移動する編集が無茶で驚く。ホークスのウェルメイドなイメージからは遠い作品に思える。
ラストのモランが息子の目となって導くシーンは、口笛として予告されてきたラ・マルセイエーズのメロディが、モランの誇りの象徴である「ラッパ」によってオフの音で鳴り響くことになる。
描かれる状況は雲高ゼロと同じで死が真近にある中、己をかけて突撃するか否か。
マーチとバクスターの関係は上司と部下でもなく恋敵でもなく、ホークスらしいホモソーシャルな関係。
終始纏わりつく戦場の絶望感が凄い。

キューブリックの『突撃』っぽさ
Lalka

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3.9
寝不足によりどうやらいちばんおいしいところで寝ていたらしい(ぶっ飛ぶ前の電話のとこで起きたけど)。後日YouTubeで補完してみた。後半の戦闘シーンあってこそ。
nagashing

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4.0
激アツ。永遠の戦場という虚無において、それでもなお連綿と受け継がれていく意志。空襲→塹壕守備→突撃→電話架設と、躍動と緊張が交互に構成された戦場の緩急と迫力が圧巻。ランプを投石で破壊する磊落かつ能率的すぎる消灯、風によって官能的に舞い落ちる紙の動きなどもたまらない。兵士の死に意味や答えを求めるジューン・ラングは、男の愛を得ても実質的には疎外されており、ここでもまた女は徹底して男の連帯を彩る添えものとして扱われる。ある意味で場違いな役どころを完璧に体現するその場違いな美しさ。
映画の展開力が素晴らしい一本。
親子関係、男女の痴情のもつれ、それら横軸を、小道具、戦線の変化、そしてユニークなモブキャラ達が縦線となって繋いでいく。
ディティールとして面白かったのは、塹壕のさらに下から聞こえてくる音に関するエピソード。こういう他にはない印象なのこるエピソードがきちんと入っているのも、傑作の条件だと思う。
ホークスの別の作品と同じオチなので、途中で結末は分かってしまうけど、それでもジーンとくる。三角関係と老兵の話があって、クライマックスですべてを解決している。リアルな戦闘シーンも良かった。

「ハワード・ホークス監督特集II」@シネマヴェーラ渋谷
大野

大野の感想・評価

5.0
室内の会話シーンにおいてノイズ混じりに繰り出される言葉の数々に圧倒されるが、ラストの気が狂った展開で置いてきぼりにされた。
初ハワード・ホークス。
いい戦争映画はしんどくなる。これもなかなかしんどい映画だった。
名撮影監督グレッグ・トーランドのカメラの臨場感が戦争を強調する。特に砲弾の雨の中を駆ける兵士たちのローアングル描写が奥行きを感じた。

この映画ではとことん戦争の無意味さと虚しさを実感するが、特に無意味さが際立っていたのは兵士たちが待機する塹壕の下からザクッ、ザクッと音が聞こえる場面。敵兵が爆弾を仕掛けようと地下の坑道を掘っている音だ。
音が鳴っている間は問題ない。止まった時が最後である。全員で音に集中するその緊張感。少しでも音が止まると息を止める。まるで時限爆弾である。爆弾の真上にいるのに交代までそこからは出れない。ヘルメットを尻に敷く兵士もいる。死が見えるのに逃げれないなんて馬鹿げているが、これが戦争なのだという事を突きつけられるシーンだった。

粗野な戦場に光輝くジューン・ラングの類まれな美しさだけがただただ癒し。黒いリボンのチョーカーがよく似合っていた。

あれは終末のラッパだったのかな。
しゅう

しゅうの感想・評価

3.8
「ハワード・ホークス監督特集II」にて字幕版を鑑賞。

第一次世界大戦のフランス戦線を舞台にして、主人公である二人の将校を中心に苛烈な戦場における兵士達のホモソーシャルな関係性が描かれる。

1936年時点で、銃弾・砲弾が飛び交う最前線の恐怖をダイナミックなカメラワークによるド迫力の臨場感で再現してみせた手腕には驚かされる。
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