インドのスラム街を描いた、とんでもない作品を観てしまいました。
貧困の中、必死に生き、夢をつかもうとする孤児である主人公ジャマールがクイズ番組に出演するが、無学であるのに、次々に正解していくため、不正の疑いをかけられ、警察に連行されてしまう。そこで、ジャマールは生い立ちを明らかにしていくことに…。
ジャマールの過去はとても壮絶。暴動が起きたため母親が亡くなり孤児になったため、自分だけの力で生きることを余儀なくされた人生。
ジャマールの回想シーンでは、ゴミをあさり、整備されていない土地を裸足で駆け回る。小学校に通っているだろう年齢の時はすでにお金を稼ぐ知恵を身に付け、生きる為に全力を注ぐ。
何度危険な目にあったか、目を覆いたくなる場面も。つい、もっとはやく走ってと、気が付いたら力の入っている場面も。
回想シーンでは子供時代が描かれていますが、ジャマールと兄のサマールの二人がとっても活発でたくましい。
きっと布団に入って眠った事なんてないんだろうなと考えてしまう。生きるために平気で騙すし、物も盗む。ある意味学校では教えてくれない事を経験してきたこの兄弟の生きる力には尊敬しかないです。
なんて内容の濃い人生を過ごしてきたのか想像を絶する出来事の数々。
兄弟の絆をとても感じたし、二人がいたから生き延びられた。そんな光景を明るく描いた作品でもあります。
二人は成長し、今では発展途上国であるインドの闇も描いたこの作品。兄サマールは人の道をある時から踏み外し、弟ジャマールは初恋の人ラティカを追い求めていき、兄弟の人生の分岐点まで描かれています。
インドの女の人達はほんと、美しい人が多いなと感じました。
ジャマールはクイズ番組で正解を導き出していきますが、次に不正解になると『一瞬で全てを失う』と司会者から伝えられますが、彼の人生はまさに『九死に一生を得る』という人生の連続だと感じました。
最後は自分の答えを信じ回答しますが、とても潔くて、応援せずにはいられない。こんな人生が存在するのかと、希望や夢をつかむ壮絶な人生を体験させてくれたこの映画から生きていく力を教えてもらえました。
