ぶちょおファンク

スラムドッグ$ミリオネアのぶちょおファンクのネタバレレビュー・内容・結末

スラムドッグ$ミリオネア(2008年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

序盤★3.5 中盤★2.5 終盤★2

インドの貧しい生活、カーストの最下層の青年がクイズ番組で億万長者に成り上がり、そして恋は実るのか?
っという如何にも誰もが応援したくなり勇気をもらえる設定で、アカデミー賞も数多く受賞しているようですが、
あまりにも表面的面白さのエンタメで深みがなく、まあダニー・ボイル監督らしいハッタリに見事ダマされ、ツボにハマって受けたという雰囲気の作品。
『ユージュアル・サスペクツ』的展開を勝手に期待しましたが、
そういうテイストはなかったです。(笑

ジャマールが詐欺罪で取り調べを受ける理由も希薄で、警察で拷問までされる理不尽さ。
幼い子供が“嘘をついてでも”逞しく金を稼がなければいけない理不尽な社会。
この作品には他にも多くの“理不尽”な出来事が描かれており、
その理不尽さを乗り越えて掴む“幸せな運命”にヒトは拍手喝采を贈るのでしょうけど、
フィクションにおいてこの“説得力のない理不尽さ”はただの“荒い脚本・設定”でしかなく、
たった一日で釈放になる詐欺罪って?
タージ・マハルでの嘘の観光ガイドも笑いのエピソードで済ませているけど、
あそこは“生きるための狡猾さ”ではなく少しでも頑張ってタージ・マハルの歴史等を勉強をしてガイドをする
“正しく生きる逞しさ”という脚本の選択肢があったのなら、私の価値観や倫理観ではそっちを選んで欲しい。

この脚本や展開の分岐点における
『物作り選択肢のファイナルアンサー』
を自分は正解とは思えなかったのでそれほど評価しませんが、
原作本『ぼくと1ルピーの神様』を読んだ方の多くは「映画より小説の方がよく練られている」という評が多いのでちょっと読んでみたい気もします。

2017年200本目