寿都

忠臣蔵の寿都のレビュー・感想・評価

忠臣蔵(1958年製作の映画)
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2021-1
何言ってるのか殆どわからねぇ…けど難しそうで敬遠していた、日本の風物詩である忠臣蔵のストーリーを初めて把握できてひとつ大人になった。西部劇やギャングに飽きてきたので今年は時代劇に移行していくのかもしれない。年末年始には日本的な風情に触れたくなるものだ。

仇討ちは始めから計画されていたのではなく、当初は殉職という名の集団切腹をしようとしていた事に驚いた。よくわからない思想だ。死刑の際に、詩(辞世の句)をよむのもおそらく日本にしかなかったであろう珍場面だ。

それと本当に悪いのは吉良ではなく、喧嘩両成敗というせっかくある良識的なオキテを破った徳川綱吉だ。馬鹿な政治家が権力を持って法をないがしろにし、上級国民が裁かれないのは今の日本と同じ。

生娘の文子たんが最強に可愛く、鶴田浩二と若尾文子のカップリングには興奮。男優に濃いアイメイクを施す(同じ眉と目になると誰が誰だか混乱する)のは歌舞伎から来ているのだろうけど、あらためて見ると不思議な光景。
これを言っちゃお終いだが、忠臣蔵は世間体を気にして人殺しや自殺行為をし、それを美学とする話しだ。忠誠心や自己犠牲は危険で皆が滅びるという教訓。戦に扇動しやすい民俗。武士達とその周辺の女達は異様に仰々しく、自己陶酔感がややウザい(文子たんは別だよ)私は演技性人格障害の様な人が苦手で、皮肉が許されない集団はつらい。

と、現代人の義務として批判してみたけど直球の時代劇で呑気に見るぶんにはおもろい。銭湯での庶民のコメディシーンはなかなか笑えた。志村喬。大石じゃなくて軽石じゃねえか!
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