監督が自宅を抵当に入れて撮ったらしいけど、その低予算ゆえか俳優陣の演技にすべてを賭けて、それがバチッとハマっている感じ。
薄っぺらい酔っ払いトークの中、誰かの一言で急に酔いがさめる感じ、ふと真顔になる表情のクローズアップの連続がとにかく印象に残る。
あと若さと老いの対比がなんとも残酷。
引き締まったシーモア・カッセルの若き肉体からシワの多いジョン・マーレイの上半身にカットを繋げるところとか、妻を追いかけて走るけど途中で息切れする体力とか。若い男に夢中になるけど一瞬我に返って惨めになる中年女性の表情も。
正直何度か眠くなってしまったけど、細かいところで見応えがあり、ラスト20分はめちゃくちゃ引き込まれた。
ぼうっと映り込む照明のハレーションもなんだか綺麗だったな。