このレビューはネタバレを含みます
映画好きによる映画好きのための映画。
計算し尽くされたフェイク・ドキュメンタリー。実験的な側面もあり。
映画はやはり"フィルム"
そしてテレビよりも"映画"
「フィルムが高い」発言は監督の本音とダブっているとしたら笑えるね。
テレビビデオ撮影班がご臨終なのも分かるし。
マルーの店から追い出され♪シネマ♪シネマー♪俺がシネマだからー♪と歌い出す。
デ・ニーロ出演作品へのオマージュも。
話すときの手の動きと銃を持つ手に注目。
印象的だったのは、誕生日のサプライズ・パーティーのシーン。鳥肌が立った。
ドキュメンタリー風に描かれているからこそ、本作の凄惨な殺人シーンに血の気が引く思いになる。
普段観ているどんなジャンルの映画にも殺人シーンは描かれていたりするが、果たして本作ほどリアルに感情を揺さぶってくるかと言えばそうでもない。
と考えると、フェイク・ドキュメンタリー形式で撮った作り手たちの思惑にまんまとしてやられた感が半端ないし、「殺人者のドキュメンタリーを撮る」なんて設定を思い付いたこと自体が面白い。実にお見事👍