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バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>のRyuのレビュー・感想・評価

3.9
砂漠を通るハイウェイ沿いのダイナー兼モーテル兼ガソリンスタンドの「バグダッドカフェ」の女主人 ブレンダは仕事をしない夫に嫌気がさし、怒鳴り散らして追い出す。そんな時、夫と喧嘩して車を飛び出したドイツ人旅行者のジャスミンが店へやってくる。

ロゴとかオープニングとか一切なしでいきなり始まり、そしていきなり終わる今作。ちょっと変わったカメラワークやざらついたフィルム、色のフィルターをかけたカットなどなど絵面も独特なテイストがありました。
正直、内容的にはなんてことないかもしれないし、ジャスミンがみんなと心を通わせていくまでで既に1時間くらいあります。それでも全然見てられるんですよね。それもこの映画の独特な雰囲気故でしょうか。
このバグダッドカフェ。最初はお世辞にも良い場所とは言えない状態でした。しかしそれをふらっとやってきた異国の女性によって、人も場所も変わっていく。人と人との出会いっていつどこに転がってるかわからんもんですね。想像してない未来すぎるけど、だからこそ温もりを強く感じることが出来ました。
この映画の良さを言葉にするのは難しいけど、間違いなく“良い”とは感じた。大きな動きもないけど、静か〜にじわじわと心に沁みてくる。そんな不思議な魅力を持った作品でした。
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