ほーりー

大脱走のほーりーのレビュー・感想・評価

大脱走(1963年製作の映画)
4.5
あまりにも有名な作品だけど、改めて観ると「大脱走」ってかなり異色な戦争映画という印象を受ける。

あんなに青空がよく似合う戦争映画が他にあるだろうか。

冒頭、大脱走マーチにあわせて大量の捕虜を乗せたトラックの車列のそのすぐ下には、綺麗な花が咲き、そのバックは真っ青な空が広がっている。

このミスマッチさがとても好き。

第二次大戦中、実際にあった大規模脱走計画を題材にした作品であるが、ちなみにこの脱走計画に関わっていたのが本作で“偽造屋”を演じたドナルド・プリゼンス。

この“偽造屋”とか主要キャラは全員通称が着いてるのがちょっと嬉しい。昔の「ONEPIECE」みたいで。

マックイーンが“独房王”、ガーナーが“調達屋”、アッテンボローが“ビッグX”、ブロンソンが“トンネル王”、コバーンが“製造屋”などなど。

それまでの脱走を題材にした映画では、「大いなる幻影」「第十七捕虜収容所」等があるけどせいぜい脱走するのは2人程度だったのに対して、本作で脱走を試みたのが桁違いの250人!まさに文字通り「大脱走」なわけである。

また他の収容所映画と異なるのは収容所を脱出するところがゴールじゃないという点。

「大いなる幻影」も脱走後の逃避行に時間を割いていたけど、本作の場合はまさに命懸けの逃避行で、最後の最後までハラハラさせられる。

軍用バイク、プロペラ機、列車、ボート、自転車、トラックをヒッチハイクなど様々な手段で逃走を図るが、捕まったりあるいは非情にも射殺されたりとほとんどの脱走兵が途中で脱落する。

この辺りがフィクションではなく史実をベースにした作品らしい。

■映画 DATA==========================
監督:ジョン・スタージェス
脚本:ジェームズ・クラヴェル/W・R・バーネット
製作:ジョン・スタージェス
音楽:エルマー・バーンスタイン
撮影:ダニエル・ファップ
公開:1963年7月4日(米)/1963年8月10日(日)
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