emily

ハッピー・ゴー・ラッキーのemilyのレビュー・感想・評価

ハッピー・ゴー・ラッキー(2007年製作の映画)
3.4
 小学校低学年の先生をしているポピー・クロスは陽気で自由奔放、楽天主義の30歳独身女性。親友と一緒に暮らし、フラメンコを習ったり、車の運転を習ったり、彼女の性格は時に人を惑わし、翻弄させいい事ばかりではないが、それでも明るく生きる事でしっかり幸せを感じて生きている。

 ポピーを演じるサリー・ホーキンスが炸裂している作品。ポップな色彩、小柄な容姿にガーリーだったり色on色のコーデなど、彼女だからこそ着こなせる眩いファッションやインテリア、街並みまでも彼女に味方するように、華やかでスキップモードだ。特に教官とのやりとりの力関係が一気に逆転していく、教官がつい心をぶちまけてしまってからの一コマが最高。
 今までふざけてばかりで常に彼の注意をちゃかしてばかりいたポピーが、黙り、会話の主導権が一気に男側になっていく。教官を演じるのはエディ・マーサン。二人の距離感が非常にユーモラスで面白い。

 常に誰かれ構わず喋り倒してるポピーだが、一旦先生の顔になると全然違う。しっかり子供達の話を聞いて、目線を合わせて話しているのだ。そんな仕事姿を見て、ソーシャルワーカーが一目ぼれ。彼女にもやっと彼氏が出来る。特に求めていた訳でもない。彼女は彼氏がいても居なくても幸せなのだ。時には周りを誤解させてしまうこともあるけど、それでもどんな事もポジティブに捉え、一人だろうが誰かが居ようが、「幸せ」をしっかり感じてる。不平不満は一切言わない。人の悪口も言わない。どうせ生きていくなら、明るく前向きに、そうして自分が自分らしく生きる事。周りがどう思おうが関係ない。ストレートなメッセージとポピーの魅力に終始笑顔で鑑賞できる。何も起こらないけど、何も起こらないことが幸せなのだ。
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