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評決のときの06のレビュー・感想・評価

評決のとき(1996年製作の映画)
4.5
どう転んでも溝が深い。
10歳の「黒人」の女の子をレイプした「白人」2人を、「黒人」の父親が裁判所で射殺した。「白人」弁護士である主人公は、その父親を弁護することに……。

冒頭10分くらいで「KKK」の名前が出たときからきな臭くなったと思ったら……。事件は裁判を超えて人種差別の社会問題に発展する。しかし、KKKを始めとする南部の人種差別主義者が敵なのはともかく、味方の黒人の活動家まで味方ではないのは面白かった。
注目される裁判だからこそ、皆がその本質を見失う。

だからこそ、最終弁論にはハッとさせられる。結局人種問題は一朝一夕では解決しないし、理解や共感を得ることも難しい。

しかしこの事件の本質は、人種ではなく「娘をレイプされた父親」の事件なのだ。

様々な要因が絡み合うからこそ、見事な作品だった。
作中で主人公は大きな代償を支払うのだが、一度も心が折れず降りようとしなかったのも、この作品のいい所だ。希望のあるラストは、人種差別に対して、気持ちのいい答えを見せてくれている。

しかし名優だらけでドッキリする……!特にマシュー・マコノヒーの少しだらしない色男っぷりが見事。朝裸で寝てる所と、ノーパンを告白する所は赤面するかと思った。ケヴィン・スペイシーの厭味ったらしさもすごいが、キーファー・サザーランド!スタンド・バイ・ミーの頃から、しょうもないチンピラ役がめちゃくちゃ似合うな……。
名優が出すぎてて、キャスト目当てに見るだけでもテンションが上がる映画。
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