ryosuke

2/デュオのryosukeのレビュー・感想・評価

2/デュオ(1997年製作の映画)
3.7
「金くれ」のナチュラルさが凄い西島秀俊のクズっぷりと柳愛里の不安定にケタケタ笑う姿に惹きつけられる。
とにかく不愉快なコミュニケーションが続くのでちょっとげんなりしてしまう。ふと現れる破綻の予感、緊張の高まり、決壊という流れが繰り返される。
映像、撮り方、役者の演技は基本自然体。役者はボソボソ喋るしよく聞き返す。役者の映画という感じで自分の好みという訳では無いが、主役二人が魅力的なので見ていられる。赤色を統一的に使用することで最低限の劇映画らしさが保たれる。二人が別れた後は画面にも鮮やかな色が現れなくなる。
1カットで撮り緊張感を保つために鏡が効果的に使用される。
ちょっとジャームッシュっぽさも感じる。
おそらく1テイクでいくために、ジャンプカットや黒画面を挟んで時間が省略される。
インタビューが挟まれる形式は剥き出しの役者二人に更に「生」感を付与している。
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