『B級映画のアクションスター』ヴァンダムと、
『香港から来た二丁拳銃』ジョンウー、
そして『死霊のはらわた』サムライミの
トリプルタッグによる90年代アクション映画。
ヴァンダムの最高傑作の一つで、個人的に『フェイスオフ』や『ハードボイルド/新男たちの挽歌』よりも好きな作品。
悪役に『ハムナプトラ』のイムホテップが、
中盤でのホームレスの黒人が敵組織に殺されるシーンでは、エキストラの一人にサムライミの弟のテッドライミが出演しています。
ヒロインから父親を探して欲しいと依頼されたヴァンダムが、ホームレスをターゲットに人間狩りゲームを行う敵組織を蜂の巣にするという、正にB級な熱いストーリー。
中盤から終盤にかけてまでオーバーキルな銃撃戦が繰り広げられ、個性的な製作者達の本領が遺憾無く発揮されています。
ジョンウーの縦横無尽に動き回って撃ちまくるガンアクションに、ヴァンダムお得意の足技がコラボした、やりたい放題な超絶アクションが大炸裂！
鳩ももちろん飛びまくる！
そしてそれを更に盛り上げてくれるのが"サムライミ演出"！
『カメラが役者を勢いよく追いかける』
『勢いよく飛んでくる物体を横から映す』
『廃工場の窓から湧き出る光』
など、サムライミ独特のあの演出が所々に挿入されており、それによって画のインパクトがより増している。
サムライミのアクションシーンは遊び心が満載で、盛り上げ方がとても上手いけど、今作のスローモーションを使いこなすジョンウーの技法はそれと絶妙にマッチしていた。
これは『ベルギー』『香港』『デトロイト』と生まれてきた場所は違えどお互いを完全に信頼しきってたからこそできた技だと思う。
また、ジョンウーとサムライミはどちらもクラシックでノワールな作風が得意という共通点があり、超肉体派のヴァンダムが両方の良いところを上手く合わせている。
ラストの廃工場でのドンパチはそれぞれの良さが最大限に引き出されていて最早芸術の域。
ヴァンダムをアシストするおじちゃんも良いキャラクターをしています。
2丁拳銃、鳩、ヴァンダム！
僕が好きなものが揃ったスーパー《ヴァンダミング》アクションムービーだ！
