まりぃくりすてぃ

バスビー・バークリーの集まれ!仲間たちのまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

4.2
ストーリーラインはけっして優れてない。笑いどころがツブツブとあってゆるく陽気になれるけど、男女の三角はありふれてて涙誘うほどには切なさが高まらないし、ヒネリがないまま雑にハッピーエンドへと浮き上がっちゃうのも何だかね。
しかし!────「爆弾娘ドリータがメインの、トゥッティフルーティ(果物だらけ)バナナ群舞」と「♪星をめざすロマンティックな私たち・星までの旅路はそう遠くない・キスをすれば……をイーディがJAZZYに最初に唄うとこ」と「投資先を教えていくうちにケチャップ、となるポッティの“キャラクターアーク”」と「ビビアンのアクロバティックダンス」等が効きに効いてて、特にイーディ役アリス・フェイの低まる声がすばらしく、ショウ満載・4ビート含みのミュージカルとしてかなり痺れさせてくれた!
キャラ立ちもそれぞれ激しめ。中盤で人物相関がわかりにくくなりかけたが、祝賀パーティーシークエンスまでには理解がニコニコ追いついた。
惜しむらくは、(カレイドスコープといえば聞こえはいいが)オモチャみたいな映像になっちゃったラスト。最高曲の使い回しもちょっとね。(小節ずつのリレーで締めてたけど、アリス・フェイに比べればドリータ役カルメン・ミランダやベニー・グッドマンの歌唱力は印象に残らなかった。)


こんな楽しそうなカラフル陶酔映画作った2年後に私たちに原爆落としたんだから、ほんと鬼畜だ(笑)。脚本の詰めがちょっと甘いとやっぱり云わざるをえないけど、もしも1943年時点で戦地Xマス向け完璧映画なんて作られちゃってたら、日本は立つ瀬がなさすぎるからねー(真顔)。。。。