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天安門、恋人たちの708のネタバレレビュー・内容・結末

天安門、恋人たち(2006年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

題材としては素晴らしいです。中国ではタブーとされている六四天安門事件を取り上げるというチャレンジ精神も凄いし、フランス資本が入っているせいか、セックスシーンはフランス映画っぽい大胆さがあって、どことなくフレンチ・チャイニーズな仕上がりがいいなぁと思いました。結果、ロウ・イエ監督は、中国当局から5年間の映画製作&上映禁止の処分を食らったそうです。

だけど、主人公の女ユー・ホンのご都合主義なメンヘラっぷりがキツかったです。出会って気に入った男とすぐにヤっちゃうし。ユー・ホンが出会う男たちはみんないい人で優しくて、関係がうまくいってるにもかかわらずユー・ホンから別れ話を切り出して、関係を壊そうとしたり、男を怒らせる言動をする。で、関係が壊れそうになったり男が離れそうになると、またユー・ホンから歩み寄るという、一体お前は何を考えてるんだよと言いたくなる頭のおかしさがありました。天安門事件とは関係ない部分で、ユー・ホンのメンタルがグラグラしまくってます。「真の愛情は不安と痛みを伴ったとき、初めて現れる」とユー・ホンが日記に綴ってましたが、愛情を感じるために、自ら不安や痛みをつくり出す自傷行為は可愛くもなんともなく、ただの面倒な女という感じ。天安門事件が雰囲気ものの素材でしかなかったので、もうちょっと事件による人々の機微みたいなものが描かれていたらよかったと思いました。

メインの登場人物がほぼ全員ウェットで、重くて鬱屈していて、それがこってり2時間以上続いたので、結構しんどさを感じました。
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