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殺人鬼の存在証明の708のネタバレレビュー・内容・結末

殺人鬼の存在証明(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

旧ソ連で1978年から1990年にかけて犯行を続けていた連続殺人犯のアンドレイ・チカチーロをモチーフにしつつ、アンドレイが双子という設定にして、その双子がすり替えられちゃって、担当の刑事が誤って愛情を殺しちゃって…みたいなツイストを加えつつ、担当の刑事や元刑事、生き残った被害者女性などのそれぞれの思惑が絡み合って複雑化していく上質スリラー。アメリカやヨーロッパとは明らかに違うロシアの陰鬱さがたまりませんでした。

事件の犯人探しのプロセスを1991年と1988年を行き来しながら辿っていて、一見複雑そうに思えるんだけど、話は至ってシンプルです。年数がクルクルと回って表示されるけど、展開するのは1991年と1988年のみ。クリストファー・ノーラン的な複雑に入り組んだ時系列や時間軸ではありません。ただ、年代を行ったり来たりするので、話の筋を掴みづらいのは確か。登場人物を相関図で整理し直して、もう一度観たいです。ふたつの年を行き来して、伏線が回収されながら解き明かされていくミステリーっぽさもいい感じ。

上映館が少なく、パンフレットもつくられていないのは、昨今の事情からでしょうかね。完成度が高い作品なのにね。

調べてたらチカチーノ、僕と誕生日が一緒なんですって。恐ロシア。
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