ぬ

ウェンディ&ルーシーのぬのレビュー・感想・評価

ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)
4.2
つらい…つらい…ギリギリすぎる…
群れられない人、人とのコミュ力がない人のノマドランドという感じだ…(ノマドランドみてないけど)
スーパーのトイレに駆け込んだシーンと、最後にウェンディの選択に、おいおい泣いてしまった。
突然訪れた絶望にたいする狼狽えを描くのが、あまりにもうまい、というかリアルすぎて、ウェンディの不安が手にとるようにわかって疲れるほどだった。

警備員のおじさんが、ウェンディに対していい人で本当によかった…
家がないと職が手に入らない、職がないと家が手に入らない、みたいな、堂々巡り…社会のバグに翻弄される人々…

「お金がないのに犬を飼う資格はない」と言ってたスーパーの男、言ってることは正しいんだが…いろいろとウェンディが現在の状況に陥るまでの背景などに思いを馳せると、そんなに鬼の首とったみたいに意気揚々と悪者扱いできないわ。
あのスーパーの男には想像もできない状況だと思う。
あと、女がひとりでホームレスするの過酷すぎるので、犬がいたほうが安心だよね確実に…
野宿するにしても犬がいるのといないのでは絶対に危険性変わってくると思う。

ウェンディの目指すところがわりと無謀で最後にあまり希望を見いだせなかったけど、目的地に着かなくても、それまでの旅の途中のどこかで、せめて食うに困らず、安全に眠れる場所が確保された生活ができることを願うばかりだよ、本当に。
福祉はどうなってんだろうなぁ…

個人的に、淡々としてて音楽ほぼ使われてないような映画好きなので、映画の作りとしても好きでした。
ぬ