りょう

パリ、テキサスのりょうのレビュー・感想・評価

パリ、テキサス(1984年製作の映画)
4.1
新年から始めたヴィム・ヴェンダースのロードムービー巡りがだいぶ寄り道しちゃって、ようやくこの作品を観ました。

完全にパリからテキサスに移動する道すがらのロードムービーだと思ってた😅そういう話なのね。

ジャケのナスターシャ・キンスキーがあまりにも魅力的なので、いつ出てくるのかとかなり焦らされ、後半に出てきて、このジャケの振り返った時の無敵感がすごい。

話としては、精神的にかなり未熟な夫婦が関係崩壊して、子供は弟夫婦に預けられ、夫婦は別々にそれぞれ失踪、夫・トラヴィスはテキサスで発見されるが…みたいな話。

特にトラヴィスの方がかなり年上にも関わらず、未熟過ぎて、もっとしっかりしてくれよと思うけど、分からなくもない部分もあって。男はやきもち焼きの人多いような気がする。自分に自信がないからなのかな。こんな綺麗で若いお嫁さんだったら、そうなっちゃうかも。
でもそんなに情熱的に愛した元妻を、ミラー越しにでも見てしまったら、自分なら再燃しかねないなと思った。めっちゃ好きだったけど振られた彼女に、久々にまた会ったら普通に好きになりそうだもん。トラヴィスもだからこそ、身を引いたんだろうか。

子供のハンターくんはかなり物分かりが良くて、っていうか物分かり良過ぎて、壮絶な夫婦の間に産まれてきた子としては良い子すぎる気がする。兄夫婦が相当愛を注いでくれたのかな。育ての親から突然トラヴィスと旅に出るハンターだけど、兄夫婦もそうなるべきとはいえ、かなり寂しい思いだったはず。

トラヴィスと会話する中で、父母と一緒に暮らしていなくても、生きているのを感じてた、みたいなセリフが心に残っている。後半、ジェーンがマジックミラー越しでの様々な男との会話でトラヴィスと話しているようだったというのと呼応しているように思えた。

銀行でママの後ろ姿を見た瞬間、これはママだと確信(きっと髪の色も同じだから)、そして最後のジェーンとハンターの再会はめちゃくちゃ感動しました。

演出も秀逸で、例えばマジックミラー越しのトラヴィスとジェーンの顔が重なるところはすごいアイデアだなと感心。

ところで、あのマジックミラーのお店は何なんだろう…テレクラ+のぞき🫣的な風俗店?不思議でした…。
りょう

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