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パーフェクト ワールドのmakiのレビュー・感想・評価

パーフェクト ワールド(1993年製作の映画)
4.0
1963年のアメリカテキサス州ダラスから始まる、脱獄&誘拐犯のブッチと人質の少年フィリップによる温かく切ないロードムービー。子供に自身の境遇を重ね、互いの父と子のあり方を補うような関係を築く温かさもありつつ、それでも、いざ子供の弱い立場に直面した時に垣間見える大人に向ける凶暴性に、私はびくりとした。それでも、フィリップ演じる子役が素晴らしく、彼が悲しい顔をしたら苦しくなるし、嬉しそうな顔をするとこちらもほっこりした気持ちになった。
ブッチにとっては、父と子の関係に対する理想の関係(世界)がパーフェクトワールドであり、束の間の逃亡でのフィリップとの時間はまさにそうだったのかもしれない。

ケネディ大統領が暗殺された年と街を舞台に描いた点や、プロファイリング批判ともみられる描写の重要性がいまいちピンとこなかったけれど、容疑者が死亡し、都合の良いように解釈された出来事への批判だろうか。
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