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息もできないのdarumaのレビュー・感想・評価

息もできない(2008年製作の映画)
4.0
ヤン・イクチュンさんに惹かれて。「あゝ、荒野」で知り、お顔が結構好きだったのと、直近で「かぞくのくに」を観てとてもよかったので鑑賞。

ヤクザと女子高生のお話。

この方の出演作でバリバリ韓国映画を観るのは初めてかな?(あ、そうでもないか…「詩人の恋」は観ていますが、そこまでハマらなかった。)深夜に観始めたせいか、字幕を見落として同じ所を何度も繰り返し、いったん諦めて翌日続きを観ました。なので断続的なせいもあってか、ちょっと印象がとぎれとぎれではあります。でも、ラストの怒涛の展開は最高すぎた。

わかっちゃいるけど…な展開ではありますが。(大好きだけど!)
あまりに綺麗すぎる、整合性が取れすぎていると言えなくはない。
でも、凝縮されている。

恋なのか何なのか、みたいな関係性がとても好き。

最初、お顔がはっきりと思い出せず、このならず者みたいな人がそうなのか…とちょっと驚きましたが(鑑賞済2作がかなりいい人感あったので)、これはこれで悪くない。(私は基本、優しい人が好きだけど…)
でも、実際はとても優しいんだよね。
甥っ子との関係性、ヨニとの関係性。

「人の死」とはこうも刻み付けられるものなのか、と感じた。
当たり前なんだけど、忘れていたことをちゃんと思い出せた気がした。

日常が過ぎていく中で、ヨニにとってもそうなるのだろう。

わりと序盤で主人公サンフンの出自がものの1分くらいで明かされるのですが、その綺麗さがめちゃくちゃ見事だった。無駄のない説明展開、みたいな?さすが韓国…
あと、手持ちカメラなのかな?結構ブレブレの映像がいくつかありますが、躍動感が凄かった。普段、こういう揺れる系の映像は目に来る(もう追いつけない。。)ので苦手なのですが、あまり気にならず、臨場感のみを感じる事ができた。

これ、東京フィルメックスW受賞だったんですね!(最優秀作品賞&観客賞)後で予告を見て知りました。そしてキネ旬外国映画ベストワン…めっちゃわかる。
本作はヤン・イクチュンさんが監督・脚本・主演。
他の作品も観てみたいです。
ヨニもめちゃめちゃ可愛かった。
キム・コッピさん…松居大悟監督の「君が君で君だ」に出ているんですね。これもいつか観てみたいです。

タイトルが原題は「クソバエ」…なんかわかる。
英題が「Breathless」、邦題が「息もできない」…何となくわかる。
彼の人生を表しているのかな、と思った。
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