ジーナ

四季を売る男のジーナのレビュー・感想・評価

四季を売る男(1971年製作の映画)
3.9
ファスビンダーがダグラス・サークの影響でメロドラマに転換した時期の一本。

母親の抑圧から逃れるために外国人部隊に入隊するも挫折し、警察官になったハンス。
しかし、しょっぴいた娼婦の誘惑に負け、フェラをさせた所を同僚に見られ、解雇されてしまう。

ハンナ・シグラ演じる妹を除き、家族に見下されながら果物売りとして働くハンスは、愛人との不倫や飲酒、果てにはDVが原因で妻に逃げられてしまう。
何とか妻に戻ってきてもらおうと懇願するハンスだが...

母親、娼婦、妻など、様々な女性と関わっていく内に連鎖的に堕ちていくハンス。
こいつがクズで、キモくて、しょうがないんですが、段々と可哀想に思えてきて同情してしまう。
ハンスに対してどんな感情を抱くのかは人によるに違いない。

素晴らしい1本。
ジーナ

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