うにたべたい

ニューヨークの怪人のうにたべたいのレビュー・感想・評価

ニューヨークの怪人(1958年製作の映画)
2.6
"原子怪獣現わる"や"怪獣ゴルゴ"などの怪獣映画で知られる、ユージン・ローリー監督の怪奇映画。
ジャケットに映っている怪人が暴れ回ります。

ジャケットを見ると結構でかい感じがしますが、普通の人より大きい(感覚的に2m強程度)くらいで、ジャケットのようなビル群を背面にして美女を片手に目からビームを打つようなシーンは無いです。
ローリー監督作品はゴルゴしか見ていないのですが、怪獣映画で著名な監督なので、本作もビルくらいある怪人が暴れ回るのかなと思っていました。パケ詐感があるような。

怪獣特撮のような作品ではなく、どちらかというと家族愛がテーマといってもいいような内容だったように思います。
世界の平和に貢献するような、素晴らしい発明をした科学者が交通事故で急死します。
息子の死を悲しんだ父親は、息子の偉大な脳を保護し、金属でできた肉体に移植して蘇らせようとする。
そうして秘密裏に科学者は怪人として蘇るのですが、徐々に人間らしい心を失ってしまうという内容です。
彼には妻と子供がいて、怪人の姿となってしまった男に、それと気づかずに接する2人のすれ違いが悲しかったです。
ただ、最後まで2人は彼を夫・父と認める事がなかったんですよね。
また、ラスト近辺で怪人は急に虐殺を始めるので、唐突さを感じました。
序盤の展開は丁寧でしたが、中盤からラストは意味無いのではと思えるシーンが多々あって、展開が唐突となり、また、テーマもぼやけている感じがありました。
退屈さは感じませんでしたが、結局怪人は何がやりたかったのか、よく分からなかったです。

怪人は脳だけの存在となったため感覚が研ぎ澄まされ遠隔にいる人の位置が分かったり、催眠術が使えたりします。
ですが、動きは鈍く、動く度に大袈裟な軋み音のようなものを出すので、あまり脅威は感じられないです。
超能力といっても人をコントロールして意のままに操るほどの強力さはなく、ラスト近辺はどうやって思った場所に現れることが出来たのか不思議でした。
ジャケットにある目からビームも説明なしでいきなり出ます。
目からビールが出ることが嬉しくなっちゃったのか、最後はビームを乱発するんですが、このシーンも唐突で全く意味が分からなかったです。

色々唐突で意味不明な展開が多いですが、嫌いな作品ではないです。
怪人の最期も良かった。
ローリー監督も本作は2作目だそうなので、多少粗があっても仕方ないのかなと思いました。