ぬーたん

スーパーチューズデー 正義を売った日のぬーたんのレビュー・感想・評価

3.3
アメリカ大統領選を巡る話というと『ハウス・オブ・カード』を思い出すけど、あのドロドロ感と常識を超えた争いは衝撃的で、比べる対象にはならないけど…。圧倒的にあちらが面白い。役者もケヴィン・スペイシーの勝ち。
ジョージ・クルーニーはどうも‥。重みとか狡さとか感じられなかった。
監督・脚本・俳優と3足のワラジを履くのは、欲張りっていうもんだ。
どれも今一つ感があり、やりたいことは分かるが中途半端な感じがする。
こういう設定なら、もっとメリハリがあって、驚くような展開がないと。
それをみんな期待してる。
それに、若い女性との情事が鍵で弱みとは、全くもって、つまらない。
後味が悪く爽快感がない。
結局何を描きたかったのがぼやけてる。
主役はライアン・ゴズリング。
彼の魅力があまり活かされていない。
淡々とした喋り方、常にクールで、表情も変わらない。
ただ、政治の裏側の汚い駆け引きと、正義感に揺れる心の葛藤はよく出ていた。
クルーニーとの話も…おぉっとかいうこともなく、割とあっさり目。
脇役のオジン達が良かった!
今は亡き、フィリップ・シーモア・ホフマン。
太々しい感じも始終煙草を吸ってる落ち着きのなさとか、存在感がある。
もう一人はポール・ジアマッティ。
ちょっとした仕草が自然で、今作ではスーツ姿もキマッてたぞ。
知事役のクルーニーは役にはピッタリだけど、やっぱり話し方や首を傾げるのがどうも気になる。
舞台が狭く、映像的な面白さに欠ける。
『ハウス~』のようなドラマと変わらないのでは映画の意味があまりないかな。
国のトップの話なら、もう少しスケールが大きく、舞台も広げた方が良かったと思う。
時間は1時間半と短く、観やすかった。
ラスト、カッコつけ過ぎ?
クルーニーらしいけど、もうひとひねり欲しかったね。
邦題タイトルが蛇足で長い。
ぬーたん

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