ウシュアイア

悪人のウシュアイアのレビュー・感想・評価

悪人(2010年製作の映画)
4.0
言わずと知れた、話題作。
殺人犯と殺人犯を愛してしまった孤独な女性の悲劇。

まずこの映画を見て印象に残るのが,出演者たちの「体当たりの演技」である。

以前見た『フローズン・リバー』を思い出す。
深津絵里といえば、最近(ってほどではないが、)は『踊る大捜査線』シリーズの恩田すみれ役などかわいらしさが混ざるさばさばとした大人の女性を演じていることが多いが、もっと前は月9の「最高の片思い」で演じていた役のような少し垢ぬけないけどかわいらしい女の子を演じることが多かったのだが、今回の役どころは、生活に疲れた地方の孤独な女性ということで今ままで見てきた役柄の中で、最もネガティブなイメージである。

妻夫木聡もまた、予告編で「誰だ?」と思うほどのネガティブ役柄である。そんな妻夫木聡を見て、妻夫木聡もやっぱり今年で30になるんだな、と安心してしまうくらい、酷い。(と言ったら失礼?)

ストーリーの方は、ネタばれになるので詳しくは書かないが、祐一(妻夫木)が出会い系サイトで知り合った女性を殺すことになるのだが、殺すシーンは前半では伏せられ、後半で明らかになる。

なぜ朴訥で心優しい祐一が人を殺してしまったのか、
さらにそのままクライマックスへ行くのかと思わせておいてのまさかの展開、静かな映画であるが、魂を揺さぶる作品である。
(2010年9月27日)
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