しゃび

悪人のしゃびのレビュー・感想・評価

悪人(2010年製作の映画)
3.5
なるほどこういうやつか。。。

救いのない映画ってたくさんあるけれど、この映画はそれがあまりにも身近すぎてどんよりとした気分になる。
根っからの悪人が出てきて、悪行の限りを尽くしてもらう方が、よっぽど見終わったあとの引きずり感は少ない気がする。

この映画のタイトルである『悪人』って、特定の人間のパーソナリティというよりは、「現代病」に近い意味合いなのかもしれない。だから、ここに出ている人達全員がある意味で悪人でもある。
この映画で描かれている事件は、人と出来事の組み合わせが悪くて起こったこと。誰も人を殺せるほどの悪人ではないし、殺されても仕方がないほどの悪人でもない。少し人の気持ちを思いやれないだけ。
だからこそ、現実で自分の身に降りかかることもありえることに思えて、余計に沈んだな気分になる。

また、李相日監督は役者の演技を引き出すのが上手いなと感じた。『怒り』を観た時も日本は役者が育ってるなぁとつくづく思ったけども、この映画も本当によかった。良かっただけに不愉快な気分にもなったが…


関係ないけどこの映画、ガラケーを使っている人とスマホを使っている人が両方出てきます。
考えてみれば2010年ってちょうど移行期でしたよね。少し懐かしく思いました(調べてみたらiphone4が出た年だということ)。

もっとどうでもいいけど、当時私はSHARPのパソコンのキーボードみたいのがくっついてるガラケーを使ってましたw
あれは、今思い出しても使い勝手がよかったw
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