じぇい

誰も知らないのじぇいのレビュー・感想・評価

誰も知らない(2004年製作の映画)
3.6
実際に起きた、巣鴨子供置き去り事件をモチーフとして作られている作品です。

すでに何度か見ているので、最初に見たほどの衝撃はないのですが、軽快な音楽・気持ちのいい風景・自由な子供達と、事件の悲惨さが強烈な対比となって気持ちの悪い作品です。

若干の脚色はあるものの、事件の悲惨さは充分伝わってきます(-_-;) この作品はネグレクトだけでなく、無戸籍児としても問題なんですよね。最初見たときはネグレクトのインパクトが強くて、そちら側ばかりにフォーカスしていました。

生きているのに、国に存在を認知されない無戸籍児。当然就学できず、またそれを問題視すらされず、保険証も取れず… まさに透明人間。原因は複数ありますが、無戸籍児は今でも1万人以上(実際はもっと多い)いるようです。

身近でこんな事件が起こっていたとして、自分はその子達に声をかけれるだろうか?と考えました。恥ずかしながら私は、声はかけても踏み込んだ話はできないだろうなと思います。せいぜい、コンビニでこっそりご飯を渡す程度でしょう。こんな時はどうしたら良いんだろう…

誰も知らない

このタイトルには、たくさんの思いが詰まっていますね。問題提起の作品としては、とても複雑で重いお話。柳楽くんの顔が印象深く、胸を締め付けられます。