ひろぽん

アメイジング・スパイダーマンのひろぽんのレビュー・感想・評価

4.3
『アメイジング・スパイダーマン』1作目

冴えない高校生のピーター・パーカーは正義感は強いが女子にはモテない平凡な男。両親は彼が幼いときに謎の失踪をとげ、ベンとメイの伯父夫婦に育てられてきた。ある日、ピーターは父の消息を探るため、父親の同僚だったオズコープ社で遺伝子研究をするコナーズ博士を訪ね、実験中の蜘蛛にかまれてしまう。翌日、目が覚めると蜘蛛のように自由自在に動き回れるパワーとスピード、超感覚で危険を感知する能力を身につける。その能力で悪と闘い、ピーターは「スパイダーマン」と呼ばれるスーパーヒーローとなる。もう1つのスパイダーマン誕生の物語。

『スパイダーマン』のリブート作品。


サム・ライミ版の『スパイダーマン』の4作目が制作されず、仕切り直しで制作された本作。

スパイダーマン誕生秘話からベンおじさんの悲劇までサム・ライミ版を鑑賞していれば既視感のある展開が続く。4作目を望んでいたファンからしたら、今までのストーリーをなぞったかのような展開で、真新しさがない分批判が多い理由も分かる気がする。

ただ、サム・ライミ版のピーター・パーカーとは違った雰囲気や、彼に関わる周囲の人物、ヴィランなど登場人物や関係性が変わるため、そういったところに着目して違った視点で鑑賞すると普通に楽しい作品だと思う。

得意分野は科学で趣味は写真といった理系のオタク気質な所は変わらないけど、眼鏡をかけておらず校内でスケボーをするなど到底陰キャに見えないやんちゃぶりな一面もある少しチャラい雰囲気のピーター・パーカー。

父親のリチャード・パーカーが謎の失踪を遂げたことでその真相を探るべくオズコープ社に侵入し、父親と面識があったコナーズ博士を訪ねるといった大胆な行動をとる勇気も兼ね備えている。

アメスパの良い部分としてはサム・ライミ版で描かれなかったピーターの両親との関係性を描いたところや、ヒロインの恋人役が美人になったこと、スパイダーマンの誕生までの物語が丁寧に時間をかけて描かれている、映像の技術が格段に進歩し臨場感のあるCGで迫力が増したこと、早い段階でスパイダーマンの正体が身近な人に知られているところetc.....

注目すべき見所満載。

ヒロインのグウェンは目がぱっちりしており目の保養になるくらい絶世の美女。

スパイダーマンとして活動を始めた理由はベンおじさんを殺した犯人を探すという個人的な復讐のためであり、そこから市民を守るヒーローになるまでの過程が丁寧で良かった。警察から逃げ回るスパイダーマンはダークヒーローの様な存在にも見えた。

蜘蛛の糸は手首から放出できず、自分で創意工夫をしながら糸と発射装置を制作していく過程は良かった。科学が得意という自分の強みを最大限生かしているのが凄い。

そして、なんと言ってもスパイダーマンが空中を舞うスイングシーンで、実際にスイングを体験しているかのようなスパイダーマン目線の映像の臨場感と迫力は感動するくらいワクワクが止まらなかった。

今作のヴィランは遺伝子研究をする科学者のコナーズ博士が実験に失敗し、超人的なスピードやパワーを兼ね備えたトカゲのような見た目になったリザード。

リザードと最後の決戦をする時にオズコープ社に向かう途中で、以前助けた子どものお父さんが仲間たちに声掛けをしてクレーンでスイングしやすいようにスパイダーマンのための道を作ってくれたシーンは本当に感動的だった。自分のやった善行がこうした形で自分に返ってくるんだもんな。

グウェンの父親も認めてくれるようになって良き関係を築けていけるはずだったのに…
避けられない悲しき運命がスパイダーマンを邪魔する。

男と男の約束でも、
守れない約束だってあるよな。

どうしてもスパイダーマンには悲しく辛い運命が襲いかかる…

サム・ライミ版の3作目で登場したコナーズ博士やグウェンを登場させた理由は、4作目が制作できなかったからキャラを引き継いだという粋な計らいなのかな?

アメスパにはアメスパの良さがあって好きだし、アンドリュー・ガーフィールドのスパイダーマンもやっぱり最高!
ひろぽん

ひろぽん