回想シーンでご飯3杯いける

マイ・ガールの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

マイ・ガール(1991年製作の映画)
4.0
「ホーム・アローン」のマコーレー・カルキンが出演しているので子供向けの映画を想像してしまうが、これはもう完全に大人向け。かつて少女だった大人達に捧げる成長の物語と言えば良いだろうか。1991年の公開でありながら、物語の舞台は'70年代初頭で、観客の少女時代を想定して生まれた設定なのだろう。

主人公のベーダは11歳。母親はベーダのお産で亡くなり、父親は葬儀屋を営む。そんな特殊な環境から「死」とどうやって向き合えばいいのか分からず悩んでいる。やがて、父親に恋人ができ、先生に恋をし、生理が始まり、ボーイフレンドを少しだけ男として意識するようになり、、、それが彼女にとって「生」と「死」を学ぶ経験になっていく。描かれているのはほんの数か月なのだろうが、少女の心の動き、機微を絶妙に描き出す脚本が素晴らしく、現代の鑑賞にも耐え得る、時代を超えた作品になっている。

作品のテイストとしては、「クレイマー・クレイマー」やノア・バームバックの諸作品に近いか。それから、今作で改めて確信した事がある。

「主人公の後ろ姿で幕を閉じる映画にハズレ無し」