このレビューはネタバレを含みます
すごー!なんだこのアニメ!
クオリティの高さがすごい…
寝たきり独居老人・高沢の介護ボランティアをしている看護学生ハルコ。彼女の目の前で新型介護マシンのモニタとして、政府の役人になかば強制的に連れ去られる高沢老人。
心配した彼女は老人が収容されている施設に潜り込み「逃げよう」と語りかける。
すると老人を載せた介護マシンが動き出し…
「AKIRA」(1988)から3年後の1991年発表。
ひたすら精緻に緻密に作り込まれた「AKIRA」と比べると、アニメーション的デフォルメや飛躍が盛り込まれていて楽しんで見られる。コミカル+アクション作品
。
メカ対メカのバトルが熱い!
従来のロボットアニメとは隔世の感がある展開。予測不能の動きがめちゃカッコいい。
暴走して周囲のものを飲み込み膨張する姿は「AKIRA」のクライマックスを思わせる。
高齢化社会、AIなどのテーマはなお今日的でより緊密に感じられる。
原作・脚本・メカニックデザイン:大友克洋
キャラクター原案:江口寿史
メカニックデザイン:礒光雄
美術設定:今敏
美補:神山健治…「攻殻機動隊」TVシリーズの#2(2002)はこの作品の一部を彷彿とさせる。
レイアウト・原画も錚々たる方々が…
(礒光雄と「電脳コイル」(2007)作った人たち多数見つけて納得…)
主題歌「走れ自転車」(vo.小川美湖)も、可笑しみとシニカルさの混淆したこの作品の個性と合っていていい。
初めはマシンの事ばかり考えていた厚労省役人が、介護AIと対話することで介護される人間に目を向けるようになる。
呆けてしまったとはいえ彼は人間であり、人らしい想いを持っている。人間性を慈しむ目線を思い出させたのだ。
しかし物語はそんなにキレイには終わらない。やはり機械は機械である!というシニカルなラストが響くし、このオチはまさに江口寿史テイストじゃないですか?いいわ〜(^^)