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キャッチ22のkirioのレビュー・感想・評価

キャッチ22(1970年製作の映画)
3.7
軍規第22項:(狂気を自認して、自ら請願すれば除隊できる。しかし、狂気を自認できる程度では狂っていると認められない)

ループしていく戦争の狂気と閉塞感をシニカルに描いたユーモア作品
その実像はニヤリとも笑えない恐ろしい話だった

第2次世界大戦中、イタリアのピアノーザ島は狂気と混乱に包まれていた。米空軍爆撃隊のヨッサリアンをはじめ、正体不明の指令のもと姿なき敵軍との戦闘を繰り返し、誰もその島から逃れることはできなかった。
どこか現実感のない状況のなかで、面白いくらい次々と狂気に落ち、死んでいく仲間たち。
それでも悪夢のような日々は、同じ場面を繰り返し、続いていく…

同名小説の映画化である本作
タイトルの「キャッチ=22」は英語圏において、不条理やジレンマを表すスラングとして定着している模様

また「卒業」を監督したマイク・ニコルズがメガホンをとった
ブラックユーモアに満ちた本作も、あらゆる人に認められる大傑作ではないが、ベトナム戦争を背景とした、戦争に対する当時の閉塞感がよく現れている

また同じように戦争の不条理劇を描いた「地獄の黙示録」への貢献も大いにあるだろう
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