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ドラえもん のび太と夢幻三剣士のslowのレビュー・感想・評価

5.0
"キミはもっと素晴らしい力を
授かるのです。ただし…
『夢幻三剣士』の世界での事だが…"
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ドラえもん長編映画史上、
のび太としずかとの距離が
最も「近づいた」作品であり、
皮肉に満ちた「夢物語」であり
私の中でも最高傑作っ‼ヽ(*´▽)ノ♪

本作は「英雄」や「天才」でもない
ダメ人間=のび太が、
夢の中でもマヌケのままだが
機転を利かせる事で道を開き、
英雄クラスにドドン‼と跳ね上がる
利口な「近道」を見つけだす♪
"修業とか勉強などせずとも
英雄になれる道はあるんやで?″
と教えてくれる。

これほどまでに"ご都合主義"が
面白い映画があっただろうか?
中盤ではあえてそれを縛るが、
その前の行動が伏線として機能し、
地の利を活かした戦い方、
魔法を科学でやっつけるザ・ご都合主義は
ドラえもんならではの痛快さっ!
そして現実と夢が入れ替わる後半は
「インセプション」でも描かなかった
スリリングな展開を見せ、
終盤戦は三剣士とか関係無くなってるが
世界をバッドエンドにするのも、
ハッピーエンドに導くのも
主人公の気持ちひとつであり、
オチも各々に任せる幕の下ろし方だが
私としては学校をお城に見立てた
のび太としずかとの暗喩を込めた
ハッピーエンドだと思っている。

作者はこれを失敗作としてるが、
私はこれが大好き!
本作には私の「最高」が詰まってて、
映画の中に入る夢カセットのワクワク感や、
自分の知ってる人にキャラを当てはめたり、
ドラえもんが突然出て「もう朝だ!起きろ」
と良い所で夢をぶち壊す所も好きw

悪役が多いのも魅力で、
トリホーは一度見たら忘れられない!w
通りすぎた角に立ってる所とか超こわい!
クモ騎士のスパイドルや、
土の精、水の精、鉄の精など
次々敵が現れるくだりは特撮モノっぽくて好き♪

武田鉄矢が歌う挿入歌「夢の人」は
ドラえもん映画屈指のカッコよさ!
エンドロール曲も考えさせられ、
"一番がひとつあればいい…"と
SMAPのあの名曲よりも遥か前から
"オンリーワンの偉大さ"を謳っているッ!

楽しみながらドキドキと笑い、
人生や社会を生き抜くうえでのスキルも
学ばせてくれる傑作映画は他になく、
ゲストキャラを出さずに、
のび太としずかの二人が主役を飾った
長編映画はこれのみである。
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