るる

100歳の少年と12通の手紙のるるのネタバレレビュー・内容・結末

100歳の少年と12通の手紙(2009年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

白血病で余命わずかな少年と、バツイチ毒舌独身女性の交流。
少年の無垢で健気で懸命な姿に、頑なだった女性の心は溶かされ、人生の転機に…という、わかりやすく、御涙頂戴もの。

泣きたいときに見た。
ちゃんと泣けた。

御涙頂戴と言ったが、押し付けがましいところがない、無駄な要素がない、好ましい作品と思った。

女主人公の、マシンガンで繰り出される機知に富んだ毒舌が心地よかった。オスカー少年が、当たり前に、子供らしく生きようとする、その振る舞いが微笑ましかった。大なり小なり病気を抱えた、周囲の子供たちの描写も暖かく、素敵だった。お化けに怯えたり、子供の孤独が子供の目線に寄り添って、きちんと表現されていた。少女との初恋の様子も可愛らしかった。

そのぶん、子供とうまく向き合えない大人たちの様子が際立っていた。

擬似母子のような関係が暖かで、良かった。子供に、というよりは、大人、特に女性におすすめかな。でも、病気の子供が見ても、勇気を貰えそうだ。

ピザが食べたくなる。フランス映画らしい色彩美、ピンク色や、神様にあてた風船の手紙など、ビジュアル面でも見どころあり。

女主人公のキツイ性格、ちょっとイタイ服装や恋愛模様も、彼女の機転のきいた振る舞いや、元プロレスラーという設定から覗く逞しさから相殺されていて、見やすかったのが大きい。

人生とは。
るる

るる