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レスラーのyutaのレビュー・感想・評価

レスラー(2008年製作の映画)
3.8
ダーレンアロノフスキー監督作初鑑賞。この監督は映像にらしさがあるらしいですが、らしくないタイプの映画だと感じました。

まず、プロレスという題材が面白い。またプロレスの打ち合わせや裏側でヒール役が善玉と仲良くしている所をしっかり描いていたのは驚きました。(この映画まではグレーゾーン)

そして内容としては、ロッキーの様な再起の物語かと思っていましたが、少し違っていて個人的にはロッキーのエンターテイメント性を排除して人間ドラマの焦点を当てていた作品でした。
そして何より重くて暗い。主人公の落ち目のプロレスラー、ビルはどうしようもない男で周りからも孤立していきプロレスだけが居場所になっていく、そこまでの過程が男の悲哀に満ちていて感慨深かったです。
その主人公を演じたのがミッキーロークという、彼もまた落ち目の俳優だったのでこの役と一心同体の様にはまっていました。(ロッキーとも通じる)
だからこそ、彼の人生を一概にバカに出来ないなと感じました。(冒頭、家賃を払えず家から閉め出され車中でタバコを吸う所などは哀愁そのもの)

また、ラストの向けての展開は非常に辛く悲しいものでしたが、本人にとってはハッピーエンドとも取れるのでそれがまた悲しくなりました。そして最後の最後、
どうしようもない男なんだけど、、、な展開に心揺さぶられました。それは前述した様にミッキーロークという俳優自身の気持ちがそこにあったからだと感じました。
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