てっちゃん

ディレクターズカット ブレードランナー 最終版のてっちゃんのレビュー・感想・評価

4.2
先日、"アンドロイドは電気羊の夢を見るか?"をおすすめ頂き読んだ経緯があって、読んだ感想伝えると、それならば映画を観てみなさいなと言われたので、言われるがままに鑑賞開始。

いやあ世界観すごいな!
めちゃ好きなやつ、ネオンきらめきカオス蠢くアジア街、得体の知らない食べ物、止まない雨(この雨が世界観を決定づけている)、入り混じる人たち、街中にある漢字やらの馴染みある感じ。
これぞサイバーパンク!
攻殻機動隊っぽいなと思ったら、もちろん影響受けているに決まっているよな。

原作からは想像していなかったイメージを映像化させて(このイメージの振れ幅が本の好きなところ)、紛れもなくSF重鎮作品になっているのに納得。
今見てもかっこいいし、新しいし、独特な世界観よ。
強力わかもと!の看板あったところで笑った。
わかもとって整腸剤のわかもとだよね。
広告看板がぎらぎらしているところも最高。

この作品のこうした映像イメージがなければ、今の映画史変わってるでしょってくらいに強烈。

とは言え、原作読んだから、ふいに現れる登場人物やその役割だったり背景が分かるから良かったけど、未読な人が観たら、今の誰なんだ?とか、この人との関係性はなんなのよ?、なんで対立しているの?とか疑問が出てくると思うくらいに、重要なところは敢えて何も説明しないスタイルなので(しているけど理解できない)、この作品の内面を見ていくのには難儀かもしれない。

人間とレプリカントの境界線ってなんだろうか。
何をもってはっきりと言えるのだろうか。
自分は人間なのか、レプリカントなのか。
自分の気持ちは自分の意思なのか、それともプログラムされたものなのか。
なんで差別を受けなければいけないのか。
なんて身勝手なのか。
このような内面を考えながら観ていくのも楽しい。

演じるハリソンフォードさんの惚れ惚れするおじ様っぷりに、ルトガーハウアーさんの目力に慄いて終盤のセリフにはぞくりとして、ショーンヤングさんのずっと見ていられるお美しいお顔にうっとりもできます。
あと透明カッパでの血みどろシーンはなかなかエグいものがあって、悪趣味全開なところも好き。

シリーズ?によって、エンディングやらがどうも違うらしいので、そちらも観てみないと。
てっちゃん

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