てっちゃん

戦慄の絆のてっちゃんのレビュー・感想・評価

戦慄の絆(1988年製作の映画)
4.0
お久しぶりのクローネンバーグ先生作品です。

実は数年前に観ようかと思い観ていたのですが、まとまった時間がとれずだったので、数回に分けて観ようかと思っていたら、その数回が思ったよりも数回になり、さらには間が空きすぎるという最悪な感じになってきたので、最初から観よう!と思い再チャレンジしたのが今回です(とはいえ、2回に分けたが)。

クローネンバーグ先生作品の中では割とおとなしい部類に入る作品なのでしょうか。
先生の場合は、おとなしいがおとなしくない部類の方なので、そこはご安心?です。

物語の印象として、丁寧に粘着性を持って描かれている(本作は登場人物の心情変化に注目すべき作品だと思うので、その手法は大正解なわけです)ので、先生の他作品に比べて、起伏が割と少なく、物語の動きが遅いなと感じました。

それでも、、先生といえば!!印が十分にあります。
ボディホラー印あります!(体の内側からくるやついいんだよな)
血が通っていない男、おります!
不思議な女、おります!
謎のギミック器材あります!
グロ描写あります!
深層心理に入り込んだ物語あります!
キレッキレのカオス感あります!
それでも切ない切れ味あります!
と、先生印がででん!とあります!

特に溜まりませぬ、、と悶絶したところは、先生お得意のなんじゃこれ器材や道具の数々。
主人公たちは医者であるので、そのときに使用する執刀道具なりなんだろうけど、このフォルムといい謎のギミック搭載されてる感じだったりとこれ欲しいなと単純に思わせるビジュアルが強すぎるんですよね。

本作についての考察なりは、そこらへんでやられているので助かりました。
なるほど、なるほどと読み進めていくうちに、先生の変人っぷりが分かってきて嬉しくなってきましたね。

先生って、ものすごくぶっとんだことをやっているんだけど、それを見せて行く物語整理がものすごく上手い(上からで失礼しました。上手いというか手練感がすごい)んです。
だからいろんな意味でちょうどいいバランスなんですよね。

数年振りにリベンジできた本作。
やはり映画は細切れで観るのはあまりよくない(特に本作のような作品は)なと思った次第でした。
てっちゃん

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